仙台市青葉区芋沢│歴史ある農家の建物の本棟を丸伏せ工法で施工(葺き替え工事最終日)


葺き替え工事前の棟
仙台市青葉区芋沢にて、70年以上も前に建てられた農家の建物の葺き替え工事の最終日(4日目)。本棟施工の様子をご紹介します。

屋根調査の様子はこちら→仙台市青葉区芋沢│農作業休憩所として使われていた建物の屋根の調査

前回の工事の様子はこちら→仙台市青葉区芋沢│昭和20年代に建てられた農作業休憩所の瓦桟施工から平葺きまで(葺き替え工事2~3日目)
こちらの解体前の棟は、のし瓦を積んで冠瓦を被せた5段積みの棟でしたが、のし瓦の下に詰めた粘土が剥がれ落ちて棟がズレたり、重量があることで耐震性に不安がありました。
それらの不安を解消するため、今回の工事では、より耐震性が高く、コストパフォーマンスを重視した「丸伏せ工法」で棟を施工します。

「丸伏せ工法」では、屋根と冠瓦をしっかりと強力棟金具で連結することにより、棟が一体化して安定します。また、のし瓦を積まず、鬼瓦も使用しないので、材料と工期を共に削減できますし、棟の軽量化も図れます。つまり、強力固定と軽量化でこれまでの棟よりも耐震・耐風に優れた棟となり、それを低コストで実現できるのです。

それでは、その「丸伏せ工法」での本棟施工の様子をご紹介します。
耐震補強 強力棟金具
前回までの工程で、瓦桟を施工した後で平葺きまでが完了しています。ここから本棟部分の施工となります。

まず最初に前回の工事で取り付けた耐震用の強力棟金具(黄色の丸印)に、防腐処理を施した垂木(タルキ)という木材を固定します。
垂木を強力棟に固定
強力棟金具に垂木を留め付けました。この垂木が、後から冠瓦(棟瓦とも言う)を固定するための芯材となります。
この垂木と強力棟金具が今回の「丸伏せ工法」の重要ポイントです。ここがしっかり施工されていないと丈夫な棟になりません。今回の工事の肝(きも)です!
棟のモルタル詰め
垂木(タルキ)と桟瓦の隙間をセメントで埋めていきます。この作業は、雨水の侵入を防ぐための重要な工程となります。今回、冠瓦として使用する7寸丸の半丸の形状に合わせて、カマボコのような形にきれいにコテを使ってセメントをならしていきます。
棟のモルタル詰め
左の作業を別方向から撮影しました。
この建物の棟の端は、隣の建物の軒下に繋がっている場所なので軒下に潜り込んでの作業となります。なかなかきつい体勢です。
7寸丸で棟瓦施工
セメントを詰め終えたら、その上に冠瓦を被せます。既存の棟では、のし瓦を積んだ上に冠瓦として5寸丸瓦(別名:紐丸)を使用していましたが、今回の「丸伏せ工法」では半丸の直径が2寸大きい7寸丸瓦を冠瓦として使用します。
大きな丸を被せることによって、より雨漏りしにくい棟の構造となります。
冠瓦をパッキン付ビスで固定
7寸丸瓦をステンレス製ビスで垂木にしっかりと固定します。これで、屋根板→強力棟金具→垂木→冠瓦(7寸丸)と連結する形となり、棟全体が一体化しました!
ここで使うビスには、頭にパッキンがついているのでビス穴から水が浸入する心配はありません。この部分は解体前には鬼瓦が付いていましたが、今回は巴(ともえ)を付けました。迫力はありませんが、雨仕舞の点では安心です。
棟瓦ができてきたところ
今回の工法では、のしを積まないので、以前のようにモルタルが剥がれ落ちる心配もありません。
この7寸丸の施工が終われば、葺き替え工事の全工程が完了です。
before1
70年以上前に建てられた農作業休憩所
以前の棟は5段積みの棟でした。重厚感がありますが、のし瓦の下から粘土がところどころ剥がれ落ち、棟瓦のズレの原因となっていました。
vertical
after1
本棟施工完了
葺き替え工事完了です。すっきりしたスマートな棟に仕上がりました。
解体前の棟よりもだいぶ軽量になり、大きな地震や台風が来ても安心です。

今回の「丸伏せ工法」は、耐震・耐風・軽量・高耐久でコストパフォーマンスに優れているので、古い和瓦の屋根で、棟の耐震改修や軽量化をご検討中のお客様におすすめの工法です。

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