屋根でおしゃれにクールに決める
薄っぺらな屋根ではない
化粧スレートは厚さ5㎜、パリンと割れます。金属屋根材に至っては厚さわずか0.4㎜、熱も音もほとんど素通しになるでしょう。瓦の厚さは2cm。この厚みが熱を遮り、音を遮り、空気の層を作り、家を守ります。
1枚に3kgの土が詰まっている
ホンモノの瓦は土を焼いた瓦。30cm四方の瓦には、3kgの土が詰まっています。
地球をつくり、家を支える大地の土。その土を借りて作られる瓦だからこそ、力強い質感が生まれるのだと思います。まさに建物の品格です。
無塗装なのに色がある
1,000~1,300℃で焼かれた粘土瓦にはいぶし瓦と釉薬瓦があります。いぶし瓦は銀光沢が美しい独特の色。日本の屋根の伝統色です。いぶし瓦の色は純和風の木造から、コンクリート打ちっ放しの現代建築、レンガの洋風建築までどんな建物にも似合います。
一方の釉薬瓦はどんな色でも表現できます。黒、グレーから南欧風の赤茶色、スマートなグリーン系など思いのまま。釉薬瓦の色は陶器と同じ焼き付け。色落ちすることがありません。
環境に優しい粘土瓦
他の屋根材にもいろいろな色がありますが、粘土瓦と決定的に違うことがあります。それは塗装で色を付けていること。
塗装はいつか落ちてしまいます。紫外線にさらされる屋根は、どんな塗装も長くはもちません。いずれ塗り替えが必要になります。
粘土瓦は環境に優しい屋根材でもあるのです。
街の「景観」は屋根がつくっています。
「景観」は個人が作ろうと思ってもつくれるものではありません。でも個人が作ろうと思わなければ、よい景観はうまれません。最近ではさまざまな住宅地で新しい「景観」づくりが行われています。その主役はやはり粘土瓦。瓦を使って街に統一感を持たせ、その街の価値を高め、日本の景観づくりに貢献しています。
景観はみんなの資産
建物はもちろん個人の財産。その屋根をどういうデザインにするかは個人の自由です。しかし同時に、建物の外観は街をつくる大きな要素。その意味では屋根は個人の資産でありながら、同時にその街の資産でもあるのです。2004年に新しくできた「景観法」は、そんな考えかたに基づいています。
屋根材、勾配、形状でつくる
ではどうやったら「資産」になるような景観ができるのでしょうか?専門家はその大きな要素として屋根をあげています。
「屋根を同じ屋根材でつくること、屋根の勾配を同じにすること、屋根の形を統一すること」。そうすることで見栄えの良い、統一感のある街並みが形成されていくのです。